今までは、バンドルされたサーバサイドのコードが require
によって直接使用されることを想定していました。
const createApp = require('/path/to/built-server-bundle.js')
これはとても簡単です。しかしながらアプリケーションのソースコードを編集する度に、あなたはサーバを停止し再起動させる必要があるでしょう。この作業は開発の生産性を著しく損ないます。さらに、Node.js はソースマップをネイティブサポートしていません。
vue-server-renderer
はこの問題を解決するために、createBundleRenderer
という API を提供しています。また、webpack の拡張プラグインを利用することで、サーババンドルはバンドルレンダラに渡すことができる特別な JSON ファイルとして生成されます。バンドルレンダラが1度生成されると、使用方法は通常のレンダラと一緒ですが、次のような利点があります。
- ビルトインソースマップのサポート ( webpack の設定オプションに
devtool: 'source-map'
を指定) - 開発中、デプロイ中のホットリロード(更新されたバンドルや、再作成されたレンダラのインスタンスを読み込むだけです)
- クリティカル CSS の評価 (
*.vue
ファイルを利用しているとき): インライン CSS は、レンダリング中に利用されるコンポーネントによって必要とされます。詳細は CSS をご覧ください。 - clientManifest によるアセットの注入: 自動的に最適なディレクティブが推測され、プリロードとプリフェッチを実行します。また、初期レンダリング時にはコード分割チャンクを必要とします。
次のセクションで、バンドルレンダラと webpack のビルドの設定方法ついて説明します。今はすでに必要なものが準備できていると仮定しましょう。こちらはバンドルレンダラを生成し、使用する方法です:
const { createBundleRenderer } = require('vue-server-renderer')
const renderer = createBundleRenderer(serverBundle, {
runInNewContext: false, // recommended
template, // (optional) page template
clientManifest // (optional) client build manifest
})
// inside a server handler...
server.get('*', (req, res) => {
const context = { url: req.url }
// No need to pass an app here because it is auto-created by the
// executing the bundle. Now our server is decoupled from our Vue app!
renderer.renderToString(context, (err, html) => {
// handle error...
res.end(html)
})
})
バンドルレンダラによってrendertoString
が呼び出されると、バンドルによってエクスポートされた関数が自動的に実行され、(引数としてコンテキストを渡して)アプリケーションのインスタンスを生成し、レンダリングを実行します。
通常では、それぞれのレンダリング毎にバンドルレンダラは新しい V8 コンテキストを生成し、バンドル全体を再実行します。これにはいくつかの利点があります。例えば、私たちが以前に言及した "ステートフルシングルトン" 問題について心配する必要がなくなります。しかし、このモードにはかなりのパフォーマンスコストがかかります。なぜなら、アプリケーションを大きくなるにつれ、バンドル全体を再実行することは特にコストとなるからです。
vue-server-renderer >= 2.3.0
では、このオプションは下位互換性のために依然として初期値が true
にされています。しかし、できる限り runInNewContext: false
にしておくことをオススメします。
runInNewContext: false
の場合は、バンドルは引き続き別なグローバル
コンテキストとして1度だけ評価されます。これにより、バンドルが誤ってサーバプロセスのグローバルオブジェクトを汚染してしまうことを防ぎます。通常との動作の違いは、それぞれのレンダリングの実行時に新しいコンテキストを生成しないことです。